なぜなぜ塾 講座のシーンから
〜「ゴミの分別」から始まる思考の冒険〜
① 日常から始まる(入口)
ある日のなぜなぜ塾。
教室の真ん中に、講師が2つのゴミ袋を置きます。
一つは「可燃ごみ」、もう一つは「不燃ごみ」。
講師は、何も説明しません。
ただ、子どもたちにこう問いかけます。
「これ、どう分けると思う?」
子どもたちは、
「これは燃える」「これは燃えない」と、経験を頼りに分け始めます。
② 「なぜ?」を引き出す(核心)
分け終わったところで、講師は次の問いを投げます。
「ねえ、なんで分けたんだろう?」
ここで、正解は言いません。子どもたちは考え始めます。
「燃えるかどうかじゃない?」「混ざると困るから?」「ゴミの人が大変だから?」
講師は、うなずきながら聞きます。
「そう考えた理由は?」「ほかにもありそう?」
③ 視点を広げる(思考の展開)
次に講師は、少し視点を変えます。
「もし、全部まとめて捨てたら、どうなると思う?」
子どもたちは一気に想像を広げます。
「燃えないものが燃えちゃう」「機械がこわれる」「危ないかも」「ゴミの人がケガするかも」
ここで初めて、
自分以外の誰かが思考に入ってきます。
④ 立場を変える(論理と共感)
さらに講師は問いを重ねます。
「じゃあ、ゴミを集める人だったら、どう思う?」
子どもたちは、
「分かれてたほうがいい」「ちゃんと書いてあったら助かる」
と、立場を変えて考え始めます。
この瞬間、ルールが“押しつけ”から“意味のある仕組み”に変わります。
⑤ 正解を渡す(最後に一言だけ)
ここで初めて、講師は短くまとめます。
「分別は、安全に処理するためであり、人や町を守るための工夫なんだね」
長い説明はしません。子どもたちの考えを整理するだけです。
⑥ 思考を自分の生活へ戻す(最重要)
最後に、講師はこう問いかけます。
「じゃあ、今日からゴミを捨てるとき、何を考えて捨てる?」
子どもたちは口々に言います。
「誰のためか考える」「混ざったらどうなるか考える」「ちゃんと見てから捨てる」
ここで、講座は終わります。
⑦ 保護者が気づく変化(余韻)
その日の夜、家でゴミを捨てるとき。子どもがこう言います。
「これさ、もし混ざってたらどうなると思う?」
質問が変わる。行動が変わる。思考が育っている証拠です。
なぜなぜ塾が大切にしていること
ゴミ分別を「教えない」
ルールを「押しつけない」
日常を「思考の教材」に変える
一言で言うと
なぜなぜ塾は、
答えを覚える場所ではありません。
理由を考える習慣を育てる場所です。
16歳以降につながる力
この一連の思考体験は、そのまま
進路選択 人間関係 仕事での判断
につながります。